金曜の夕方、岡本氏が明日白峰に行くと言ってきた。体調も悪く、明日はおとなしくしておこうと思っていたが、天気予報をみると晴れである。もうこうなれば行くしかない。 入る谷は大杉谷と決め、4時前に家を出る。入渓点には8時頃に着くことが出来る。幸い先行者もいないようだ。10年程前に偶然見つけた仕事路を辿り10分程で大杉谷の流心に着く。時期が早い事もあり、水量は7、8月に比べて倍以上はある。0.6の通しに8号の矢島型の鮎針、少し重めのおもりを付け準備は完了。 釣り始めるが、水量が多いため何時の好ポイントに上手く仕掛けが入らない。時間も余りないので大場のみを探る事に決める。先ず、堰堤の白く泡だった落ち込みで23〜22cmのイワナが2匹立て続けに竿をしならせる。もうさびは取れ、1年ぶりに見る美しい魚体だ。本流を300m程釣り下りながら左岸より合流する枝谷に入る。傾斜が急で、しかも大岩がゴロゴロとした谷である。民宿の親父が大杉谷で逃げる時は絶対に右側の斜面だと教えてくれたことが実感出来る。もし、大雨でもくれば棲ざましい谷にあなることは間違いない。が、イワナはこの様な谷を好んで生息している。イワナには山の霊気が満ちあふれているのだ。 谷が木々で被われ始めるあたりから釣れ始め、1時間ほどで魚止め滝に至る。昨年35cmのイワナが出た滝直下の淵にはやはり良形のイワナ潜んでいた。 時計をみると11時をまわっている。竿を納め、水谷、岡本両氏が入って入る下田原にむかうことにする。釣りに夢中になっていた時は気付かなかったが、周囲には極上の山ウドが群生している。酢みそ和え用に3本ほど摘んで魚籠に入れる。 下田原谷の何時もの堰堤の付近には1時前についたが、誰もいない。昼食後パンクしたタイヤを交換していると、林道を両氏が下ってきた。パンクの修理を手伝ってもらったあと下田原谷上流で1時間ほど楽しみ、23、22cmを3尾加え釣りを終えることにした。今日釣った12尾は、水谷氏に薫製用に手渡し白峰に別れを告げた。(01.5.19) |