百合谷 (3/30,4/6,5/25)

 百合谷と書いて”ひゃあこだん”と呼ばれる谷は、ちょっとした隠れ谷である。と、言うにはいくつかの理由がる。まず、谷と本流との出合いがメインの道路から外れていて、わかりにくい。それに、出合いが村落のすぐ横にあり、しかも途中で取水されていて水量も少なく、草が茂っている。大抵の釣り人なら見向きもしない。しかし、国土地理院発行の2万5千分の1地図”白峰”を注意深く眺めると谷は以外と深く、その源頭は”砂御前山”の直下まで達しているのである。

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 以前から気になっていた谷で、2000年の夏に一度だけそれも30分ほど入渓したことがある。その時は、釣果はなかったがおもしろいことを経験した。それは、イワナなのにアマゴに近い当たり方をするのである。一瞬アマゴかと思って釣り上げたのは15cm弱のイワナであった。

 2001年は、頸部の手術のためほとんど何もできずに1年をすごした。長くて辛い一年であった。

 手術からも回復でき、2002年3月30日の解禁日に水谷、岡本両氏と再び渓流たてる日が巡ってきたことは無上の喜びである。まず、何時ものように民宿”つるの”に立ち寄り今年の入漁券を購入する。民宿の女将とそこに居合わせた釣り人と30分ほどとりとめのない話をした後、いよいよ渓流へ向かう。今年は、雪が少ないとはいえ豪雪の白峰はまだいちめん雪の世界である。容易には入渓できない。

 午前中は、工事のため除雪作業が進んでいた大杉谷に入ることにした。途中の枝谷に入る水谷、岡本両氏とわかれ、行ける所まで行くことにしたが、300m程先で除雪は終わっていた。幸い本流までの林道は除雪されていて、容易に流心に降り立つことができる。しかし、魚の活性は弱く20cm以下のサイズが数尾あがっただけである。そうこうする中に水谷、岡本両氏がやってきた。両氏も、だめなようである。昼食後、両氏は下田原谷に入るとのこと。僕は例の気になっている”百合谷”に入ることにした。

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 出合いから200m程入った林道わきに車を置き、雪がまだらに残る斜面を伝い谷に入ることがでしる。雪が解けた所には、早くも蕗のとうが芽を出している。雪解けと前日の雨のせいで、流量はいつもの時とは比べようも無いほど多い。それに、残雪がまだまだ多く思うように進めない。雪に足を取られながら進むも取水口までがやっとであった。その取水口で24cmがヒットした。引き上げる途中、釣り上がる時取り逃した24cmをうまくかけることができた。(2002.3.30)

 4月6日2週連続で”百合谷”に入った。と、言うのは先週ネットをわすれてきたからで、回収がてらの釣り行である。ところが最近大きな山抜けがあり、林道は入り口で通行止めとなっている。しかたがないので、林道入り口付近に車を置くことにした。

 谷は先週大きく様変わりしている。水量も残雪も1/3以下に激減している。1週間で信じ難い程の変化である。置き忘れたネットを回収後谷通しに釣り上がるが、魚信は全く無い。先週乗り越えられなかった取水口も難なく通り過ぎると、山が抜けその土砂が流入している箇所に出くわす。強行突破を試みたが恐ろしい目に遭ってしまった。流入した土石流に足を取られ、腰のあたりまで潜り身動きできない状態に陥ったのである。まず、仕掛けを仕舞い腹這いになって30程かけて現場を脱出。

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 でも、このままでは引き下がれない。一旦林道にはい上がり、山抜け箇所を通り抜け再度流心に降り立つ。急に当たりが増え、20cm級が立て続けに4尾つれる。そうこうする中に、堰堤の直ぐ下の大きな淵に達する。そこで、25cm級がヒットするが強引に引き抜こうとしたが、0.6号のハリスが切れてしまった。残念!!最後に堰堤直下の水しぶきの上がる小さなたまりが目に入る。大物がいるとしたらここしかないと確信し、慎重にポイトに仕掛けを投入、20cm程仕掛けが流れたあと目印が止まった。だが、まだ合わせない。相手はイワナである。一呼吸おいて竿先を軽くあげると、重い手応えが伝わってくる。大物だ!今度は慎重に近くの浅場まで誘導し確実に取り込む。計測すると27cmであった。

 今日はこれで竿を納め、午後2時白峰を発った。(2002.4.6)

 5月25日水谷、岡本両氏と白峰に行くことにした。午後1時から2時頃下田原谷で待ち合わせることにし京都を5時過ぎに発つ。午前中風嵐谷に入ったが思わしく無かった。約束の2時までには少し時間があるので、再度”百合谷”に入った。前回の堰堤の上を2時間ほど釣り上がった。25cm2尾他20cm級が4尾の釣果である。いつ入ってもそこそこの釣果があるいい谷だ。時間も無い今日はこれで納竿する。次回は1日かけて源頭部まで釣り上がろうと決め、下田原谷に向かった。(2002.5.25)